ひとり情シスとは、社内のパソコン・アカウント・ネットワーク・システムの面倒を、実質1人で見ている状態のことです。総務や経理と兼務しているケースも含みます。
この状態そのものが悪いわけではありません。社員数十名の会社なら、専任を2人置くほどの業務量がないのは普通です。問題は、その1人が休んだり辞めたりした瞬間に、何が止まるか誰も分からないことです。
情シス代行を8年続けてきた立場から、ひとり情シスの会社が最初にやる対策を、順番つきで書きます。
ひとり情シスで起きる3つのこと
- 止まる…担当者が休むと、パスワードのリセットも新しいPCの準備も止まります
- 判断が1人に寄る…どのシステムを入れるか、見積が妥当か、を社内で確かめられる人がいません
- 本業が削られる…兼務の場合、その人が本来の仕事をできていない時間が、見えないコストになります
辞めたときに実際に何が起きるかは、情シス担当が辞めたとき、会社で何が起きるかに詳しく書きました。
対策は、この順番で進める
目的は担当者をゼロにすることではありません。その人がいなくても止まらない状態を作ることです。弊社が引き継ぎ資料のほとんどない会社に入ったときも、最初の30日はこの順番で押さえました。
- お金が出ていっているものを全部並べる…請求書と口座引き落としから逆算します。使っていない契約が、だいたい出てきます
- 切れたら止まるものを特定する…ドメイン、SSL証明書、保守契約、ライセンス。更新日と、誰の名義かを一覧にします
- 管理者権限が誰にあるかを確認する…退職者のアカウントが管理者のまま残っていることは、珍しくありません。管理者は最低2人にします
- 問い合わせの多い順に、手順を5件だけ書く…全部を文書化しようとすると終わりません。上位5件で、体感はかなり変わります
- 外に出す範囲を決める…日常の運用は外に出しやすく、社内の事情を知らないと決められない判断は社内に残します
1から4は、担当者本人と一緒に進めてください。いちばん詳しいのは本人ですし、本人にとっても「自分しか知らないこと」が減るのは負担が軽くなる話です。
外に出すなら、どこまでか
5の「外に出す範囲」は、会社によって変わります。目安はこうです。
| 外に出しやすい | 社内に残す |
|---|---|
| 社内からの問い合わせ対応、PCの準備(キッティング)、アカウントの発行と削除、ライセンスの棚卸し、ベンダーとの一次窓口 | 予算の最終決裁、誰にどの権限を与えるかの承認、その業務を続けるかどうかの判断 |
採用と外部委託のどちらが合うかは、情シスを採用するか、外に出すかで比べています。費用の考え方は情シス代行の費用は何で決まるかにまとめました。
やらないほうがいいこと
- いきなり全部を文書化する…終わらないうちに担当者が疲れます。上位5件で十分です
- 本人抜きで外注先を決める…現場の事情を知らない契約になり、範囲が合いません
- 「詳しい人」を増やせば解決すると考える…詳しい人が2人になっても、記録がなければ同じことが2人分起きるだけです
よくある質問
ひとり情シスの対策は、何から始めればいいですか
お金が出ていっている契約を全部並べるところからです。請求書と口座引き落としから逆算すると、何が動いているかの全体が見えます。次に、切れたら止まるもの(ドメイン、SSL証明書、保守契約)の更新日と名義を確認します。
ひとり情シスが退職したら、どうなりますか
動いているシステムはしばらく動き続けるので、すぐには気づきません。気づくのは、ドメインや契約の更新が切れたとき、パスワードが分からず管理画面に入れないときです。退職日の前に一度、本人と引き継ぎの時間を取ることをおすすめします。
ひとり情シスは外注したほうがいいですか
毎日決まった時間に人がいないと回らない業務があるなら、採用や常駐のほうが合います。そうでなければ、日常の運用を外に出し、判断を社内に残す形が合う会社が多いです。いまの担当者が残るなら、その人を中心に外部が支える形がいちばん安定します。
株式会社nullkyotoは、京都を拠点に、中小企業の情報システムを外部から支えています。ひとり情シスの方と一緒に、まず困りごとの棚卸しから始めます。初回のご相談は無料です。


IT CONSULTING
コメント