アパレル小売様が、韓国ブランドのポップアップ運営を代行するという新規事業を始めました。売る場所も、商品も、スタッフも先方が用意します。足りなかったのは、売った記録を残す仕組みでした。
レジ、決済、在庫、勤怠。この4つを短期間で立ち上げ、会期後には販売分析のレポートまでお出ししています。
ご相談の背景
ポップアップは会期が決まっています。準備期間も同じだけ短い。そして今回は運営代行なので、日別の単品売上と在庫状況を、ブランド側へ報告する必要がありました。手書きの売上メモでは成立しません。
既存の店舗システムに商品を登録する案もありました。ただ、扱う商品はアイテム数で168点、カラー違いを含めたSKUで1,686点あります。手で入力するなら、1アイテムあたり2分。会期までの日数を考えると、そこに人を張り付けるわけにはいきませんでした。
実施したこと
1. 「入力しない」方法を先に決めた
既存システムへの手入力をやめ、商品マスターを一括で取り込める仕組みに切り替えました。採用したのはエアレジです。
ブランド側から受け取る商品リストは、そのままでは取り込めません。列の並びも、コードの桁数も、こちらの想定とは違います。ここはAIを使ってフォーマットを揃え、変換の手順そのものを型にしました。次の催事でも同じ手が使えます。
結果、1,686SKUの登録は1時間で終わりました。取り込みでつまずいた箇所はありません。
2. バーコードが読めるかを、事務所で先に試した
商品タグのバーコードはコード128でした。読めなければ、その場で全部が止まります。
会場で確かめるわけにはいかないので、事務所に実機を持ち込んで検証しました。読めなかった場合に備えて、JANコードを自社で発行する手も用意しています。使わずに済みましたが、用意していなかったら初日は動いていません。
3. レジは2台構成にした
iPad、キャッシュドロワー、カード決済端末、レシートプリンター。ドロワーとプリンターは一体型を選び、会場での設置と撤収を短くしています。
既存の機材も棚卸ししました。社内にあるスキャナーのうち何台が生きているかを確かめてから、足りない分だけ手配しています。
4. 勤怠は、レジのiPadで打てるようにした
短期スタッフのために勤怠システムを別途契約するのは、費用も手間も見合いません。iPadのブラウザから打刻画面を開けるよう、ホーム画面にショートカットを置いただけです。
専用のものを入れるより、すでにある画面を1つ増やすほうが、教えるのも速い。
5. 在庫は、数えずにデータで押さえた
会期中に実地の棚卸しをする余裕はありません。入荷と出荷のデータで在庫を把握する形を基本にし、実地検品は会期の前後に寄せました。
6. 会期のあと、販売レポートを出した
レジに残るのは、日別・単品別の販売データです。運営代行は「売って終わり」にもできますが、ブランド側が次に知りたいのは何がどの順で売れて、何が残ったかです。
会期後、販売データを集計して分析を添えたレポートをブランド様へお出ししました。次回の持ち込み数量とラインナップを決める材料になります。
最初にSKU単位で正しく登録しておいたことが、ここで効いています。登録を雑にすると、あとからレポートは作れません。
成果
- 商品登録 1,686SKUを1時間で完了。手入力なら1アイテム2分の想定でした
- フォーマット変換の手順を型にしたので、次の催事は同じ時間で立ち上がります
- バーコードの読み取り、決済、勤怠とも、会期中に止まっていません
- 会期後に販売分析レポートを提出。次回の仕入れ判断の材料になりました
短期の催事で、いちばん高くつくのは「入力」です
催事の準備というと、什器や動線の話になりがちです。ただ実際に人の時間を食うのは、商品を登録する作業でした。ここは工夫のしようがないと思われがちですが、そんなことはありません。
手で打つ前に、一括で取り込める道はないかを探す。取り込めない形で渡されたなら、揃える手間ごと型にしてしまう。1回きりの催事でも、この順番で考えると、準備の日数がまるごと変わります。
そして、登録を丁寧にやっておくと、終わったあとに数字が残ります。売上を上げるのは現場ですが、次に何を持ち込むかを決めるのはデータです。


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