文具メーカー様|モール任せだった物流を自社倉庫へ。初回出荷から1か月半で1日600件規模へ

倉庫の棚列と通路

ECの出荷を外部の物流サービスに任せていた文具メーカー様が、自社倉庫での出荷に切り替えました。倉庫の契約から、WMSの選定、受注管理との連携、配送ラベルの設計、現場のレクチャーまでを通しで担当しています。

目次

ご相談の背景

物流を外に任せていると、送料も、同梱物も、出荷のタイミングも、自分たちでは決められません。売上が伸びるほど、その制約が効いてきます。

ただし、倉庫を自前で持つのは別の話です。場所、システム、人、手順を同時に立ち上げなければなりません。社内に、ECの物流をゼロから立ち上げた経験を持つ人はいませんでした。

実施したこと

1. 先に、全体のスケジュールを引いた

検討を始めた時点では、決まっていないことのほうが多い状態でした。倉庫の賃貸契約、システム機器、棚などの部材。

すべてを決めてから動くのでは間に合わないので、何をいつまでに決めるかを先に置きました。走りながら決めるための順番です。

2. WMSを選び、ベンダーと折衝した

候補の比較から、契約、キックオフ、ガントチャートのすり合わせまで。導入したのはクラウド型WMSのロジザードZEROです。

3. 受注管理と配送を、一本の線でつないだ

モールで受注し、ネクストエンジンに集め、WMSへ流し、送り状を出す。この線を通すのが、いちばん手間のかかるところでした。

  • 商品マスタは全件を見直し
  • 送り状の品名と厚さを固定値にし、現場で迷わない形に
  • 並び替えの条件を「お客様管理番号」に統一
  • WMSの出力が「伝票番号ごと」ではなく「伝票番号(明細)ごと」だったことを突き止め、件数の数え方と運用を組み直し

4. 足りない道具は、その場で作った

売上連携用のデータ変換ツールを、HTMLで作ってお渡ししています。ドラッグ&ドロップで動く程度のものですが、毎日の手作業が消えます。システム改修を待つより速いと判断しました。

5. 現場に、手順を渡した

ハンディ端末3機種のレンタル手配、データ連携と操作説明の立ち会い、新規SKUの登録フロー(モール→受注管理→WMS)のレクチャーまで。

出荷実績の反映を意図的に2日遅らせるなど、現場が回る速度に合わせて確認のゲートを調整しています。理想のフローより、回るフローを優先しました。

成果

  • 倉庫の契約から初回出荷まで、約半年
  • 立ち上を3日間で、374件を出荷確定
  • 約1か月半後には、1日600件規模の出荷を、ピッキングリストを出さない運用で回せる状態に
  • 先方からは「半年かかったが、切り替えられたことは大きい」という言葉をいただいています

反省点

初日、出荷はゼロ件でした。送り状の仕様に見落としが見つかり、その日の出荷を止めています。伝票の出力と一部のピッキングまでで、引き渡しは翻日に回しました。

セールのラッシュ前に見つかったのは救いでしたが、本番前の確認項目に漏れがあったのは事実です。送り状は、画面ではなく実物を刷って確かめる。これは以降の案件でも必須にしています。

外部の物流をやめるとき、時間がかかるのは倉庫ではありません

場所は借りればあります。時間がかかるのは、受注から出荷までの一本の線を、現場が迷わずに回せる形にすることです。ここをベンダー任せにすると、誰も全体を見ていない状態になります。

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